Coup De Grace – Treat

メロハー

復活」を超えた奇跡の一撃

■往年の名バンドが見せた、想像を超える完全復活

長くシーンから遠ざかっていたバンドが再始動し、新作をリリースすると聞いて、どれほどのファンが胸を躍らせ、そして肩を落としてきただろうか。しかし、Treatの『Coup De Grace』は違った。これは単なる復活作ではない。彼ら自身のキャリアをも凌駕する、信じがたいほどの完成度を誇る“過去最高傑作”なのだ。アルバムが放たれた瞬間、ファンの間に走った衝撃と興奮は、間違いなく本物だった。

■「勝負あった」と確信させた、2曲目「The War Is Over」

アルバム冒頭、インストのイントロに続いて鳴り響く2曲目「The War Is Over」。その瞬間、聴き手は完全に引き込まれる。キャッチーで華やかなメロディ、情感豊かで伸びやかなRobert Ernlundのボーカル、そしてどこか懐かしさすら感じさせるアレンジ――この曲を聴いた時点で、「このアルバムは当たりだ」と確信できた。

しかもすごいのは、そこからがさらに圧巻だということ。息切れすることなく、アルバムは次々と魅力的な楽曲を繰り出し、リスナーをひたすら高揚させ続ける。かつてのTreatらしさをしっかりと継承しながらも、現代的な洗練も加えられており、懐古に寄りかかることなく前へ進もうとする意思が感じられる。

■期待を遥かに超えて――新章の幕開け

このアルバムに先駆けてリリースされたベスト盤『Weapons Of Choice』には新曲が2曲収録されていたが、これがまた驚くほどの完成度で、ファンの間では「これは何かが始まる」という予感が広がっていた。その期待は、『Coup De Grace』で見事に現実のものとなる。

そして驚くべきは、この復活作の勢いが一過性のものではなかったということだ。この後もTreatはハイレベルな作品を連発しており、本作がまさに新たな快進撃の起点となったのは間違いない。

■終わりに

『Coup De Grace』は、単なる“復活作”ではない。これは、バンドが長い時間を経てなお自らを更新し、再びシーンの主役として立ち上がった証であり、メロディアス・ハードロックというジャンルが持つ可能性を改めて証明した金字塔的作品である。このアルバムを聴き終えたとき、あなたもきっと、「彼らは今こそ全盛期だ」と確信するはずだ。

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