The Metal Opera Pt.II – Avantasia

メロスピ

ジャーマンメタルの到達点、そしてその先へ

■「名盤」の系譜を超える新たな神話

Helloweenの『Keeper Of The Seven Keys Pt.II』は、ジャーマンメタルの金字塔として多くのファンに語り継がれる名盤だ。だが、個人的にはその壁を越えたと断言できる作品がある。それが、Avantasiaによる『The Metal Opera Pt.II』だ。EdguyのTobias Sammetが中心となって始動したこのプロジェクトは、単なるサイドワークの域を超え、まさに「才能の爆発」を感じさせる壮大な音楽劇を築き上げている。

■圧巻の14分、伝説を作ったオープナー「The Seven Angels」

アルバムは、14分を超える大作「The Seven Angels」で幕を開ける。壮大なイントロから緻密な展開、感情を突き動かすメロディ、そして歌い手たちの圧倒的な表現力――この1曲だけでアルバムの価値を語れてしまうほどの完成度だ。Tobias Sammetの作曲能力、構成力、そして演出力が極限まで発揮され、リスナーはまるで一本の映画を観たかのような感覚に包まれる。

この曲のインパクトがあまりにも強く、つい何度も繰り返し聴いてしまうのだが、だからといって他の楽曲が霞むわけではない。むしろ、この名曲に続く曲たちが軒並み高水準であることが、このアルバムを真の傑作たらしめている。

■捨て曲なしのバラエティとメロディの饗宴

2曲目「No Return」や6曲目「Neverland」などは、メロディック・スピードメタルファンにとってはたまらない疾走チューン。軽快なリズムと練り込まれたメロディが絶妙に絡み合い、アルバムの勢いを持続させる。その他の楽曲も実に多彩で、バラードあり、叙情的な展開あり、アグレッシブなパートありと、まさに「オペラ」と呼ぶにふさわしい構成だ。

加えて、本作に参加するヴォーカリストたちの豪華さも特筆に値する。実力派たちが楽曲ごとに異なる役割を担い、それぞれのパートにドラマと個性をもたらしている。単なる「メタル界の合唱団」ではなく、一人一人がしっかりと物語の登場人物として息づいているのだ。

■Edguyをも超えた、Tobias Sammetの真の代表作

本作の完成度は、Tobias Sammetが率いる本家Edguyのどのアルバムよりも高いと断言できる。もちろんEdguyにも名曲は多いが、『The Metal Opera Pt.II』ではコンセプト、楽曲、演出、すべてがシームレスに結びついており、「作品」としての完成度において群を抜いている。

このアルバムによってAvantasiaというプロジェクトは確固たる地位を築き、その後もシリーズ作品が継続的に制作されていくことになる。まさに本作こそが、その礎となる決定打だったのだ。

■終わりに

『The Metal Opera Pt.II』は、単なるジャーマンメタルの名盤にとどまらない。Tobias Sammetが描いた“メタルによる総合芸術”の真の幕開けであり、ジャンルの頂点を更新した記念碑的作品である。「メタルオペラ」という言葉に疑念を抱いていた人でさえ、この作品を前にすればきっと、その意味と凄みを理解するだろう。ジャーマンメタルが築いた栄光の伝統に、新たな神話が加わった――それが『The Metal Opera Pt.II』である。

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