メロディと構成美が織りなす、新時代のプログレ・メタルの金字塔
■プログレッシブ・メタルの新たな扉を開いた作品
初めてCircus Maximusの『Isolate』を耳にしたとき、ふと頭をよぎったのはDream Theaterの名盤『Images & Words』の衝撃だった。あの時と同じ、いやそれ以上に、「これはとんでもない作品に出会ってしまった」と感じさせるゾクゾクとした高揚感。技巧と叙情のバランス、聴きやすさと構築美の共存――そのどれもが、プログレッシブ・メタルというジャンルに新たな価値を付加している。
■聴く者を虜にする、とっつきやすさと深さの絶妙なバランス
プログレと聞くと、どうしても「難解」「長尺」「構えて聴くもの」といったイメージがつきまとう。しかし『Isolate』はそのような壁を軽やかに飛び越えてくる。複雑な構成を持ちながらも、どの曲にも明確なメロディの軸があり、決して理屈だけで進む音楽ではない。むしろ一聴して引き込まれる吸引力があり、気がつけばアルバムを何度もリピートしている自分に気づくはずだ。
この“わかりやすさ”と“深さ”のバランスは、プログレ・メタルの中でも極めて稀有な存在。この作品をきっかけにプログレに興味を持ったリスナーも多いのではないだろうか。
■冒頭の衝撃、そして代表曲の爽快感
本作の真価は、冒頭の1曲目「A Darkened Mind」ですでに示されている。イントロを聴いた瞬間、「これは良さそうだ」と予感が走り、曲が進むごとにその期待が確信へと変わっていく。テクニカルでありながら感情表現に富んだ展開、そして突き抜けるようなメロディ――これこそがCircus Maximusの本領だ。
そして、代表曲として語られることの多い5曲目「Arrival Of Love」は、まさに“メロディアス・ハードの香りを帯びたプログレ”と呼ぶにふさわしい爽快な1曲。エモーショナルでキャッチーなサビは誰の耳にも残るだろう。技巧を凝らしながらも“歌モノ”としての魅力を失わない、この絶妙なバランス感覚が本作全体に通底している。
■完成度、衝撃度、ともにトップクラスの傑作
『Isolate』は、単に“演奏がうまいバンド”のアルバムではない。技術に酔うことなく、それをどう感情に変換し、どう楽曲に昇華させるかという点において、非常に高い完成度を誇る作品である。Dream Theaterの影響を受けつつも独自の色を持ち、むしろ「これこそが現代における理想的なプログレ・メタルの姿だ」とさえ感じさせる。
■終わりに
聴きやすさと奥深さ、メロディと構成美。そのどれもを高次元で融合させた『Isolate』は、まさに“メロディアスなプログレ・メタルの最高峰”と呼ぶにふさわしい一枚だ。技巧に圧倒されるもよし、メロディに酔いしれるもよし。このアルバムは、聴き手がどの角度から接しても、その魅力を惜しみなく開示してくれる。プログレに対して距離を感じていた人にこそ、ぜひ手に取ってほしい作品だ。


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