Belief – Dare

メロハー

癒しと郷愁に満ちたメロディの楽園

■静かなる美の極致にたどり着いたアルバム

Dareのアルバム『Belief』は、ハードロックという枠にとらわれず、美しいメロディと深い情感で聴く者の心をやさしく包み込む、極めてパーソナルな1枚だ。力強さや激しさを押し出すロックとは一線を画し、あくまでも穏やかに、しかし確かな情熱をもって紡がれるその音楽は、まるでヒーリングミュージックのような安らぎをもたらしてくれる。

■やさしさに包まれた音の風景

アルバムを通して感じられるのは、どこか懐かしく、心の奥をそっと撫でるような郷愁。どの曲もメロディが丁寧に磨き上げられており、音のひとつひとつが心に穏やかな波紋を広げていく。聴いていると、目の前にどこまでも広がる雄大な自然の風景が浮かび上がるようで、忙しい日々に疲れた心にそっと寄り添ってくれる。たとえロック色が控えめであっても、それがこのアルバムの魅力を損なうことはまったくない。

■涙を誘う名曲たち

なかでも2曲目の「Dreams On Fire」は、初めて耳にした瞬間、なぜか涙が込み上げてきたというほどの深い感動を呼ぶ楽曲だ。言葉にしづらい感情の震えがメロディに封じ込められており、聴くたびに胸の奥が温かくなる。そして9曲目「Take Me Away」もまた、同じように涙を誘う力を持った珠玉の1曲。どちらも、ただ美しいだけではなく、人の心の深層にそっと触れるような力を秘めている。

■Darren Whartonが描いた“Dareの理想形”

このアルバム以降、Dareの作品はよりロック色を抑えた方向へと歩みを進めていくが、その出発点にして完成形とも言えるのが『Belief』だろう。Thin Lizzyの元メンバーであり、本作の中心人物でもあるDarren Whartonが長年思い描いてきた音楽性――つまり、“静けさの中にある情熱”――が、このアルバムで初めて明確な形として結実したように感じられる。

■終わりに

『Belief』は、ロックというジャンルの中で、あるいはその枠を越えて、ひとつの“癒し”の形を提示してくれる作品だ。力で押すのではなく、そっと寄り添う。激情を叫ぶのではなく、内なる炎を静かに灯す。そんなDareの音楽は、きっと多くのリスナーの心の片隅に、優しい余韻を残し続けてくれるに違いない。

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